- 公開日:
多くの人は、仕事の分岐点やスキルアップの壁にぶつかったとき、「自分には才能がない」「センスはもう伸びない」と考え、成長することをあきらめてしまいがちです。そんなとき、漫画「ハイキュー!!」に登場する及川徹さんの、この言葉を思い起こし、考えてみてください。
私たちは才能を、生まれつきの特別な力だと捉えてしまいがちです。しかし「才能は開花させるもの」という言葉が大切なのは、才能が勝手に発揮されるのではなく、自分の意志と努力で育てていく力だということを教えてくれるからです。才能とは生まれつきのギフトではなく、努力によって引き出される潜在能力なのです。
才能を「心の中に眠る可能性の種」として考えてみると、どんなに良い種でも環境が整わなければ芽は出ません。芽が出て花が咲き、実をつけるためには、地道な手入れが必要です。毎日の練習や勉強で少しずつ力を蓄え、自分よりレベルの高い人から学び、フィードバックを受け取る勇気を持ち、ときには少し難しい環境に挑戦することで、才能という種に光や水が与えられます。努力の質は、ただ時間をかけるのではなく、成長につながる正しい方法を選べているかどうかで大きく変わります。
才能が自然に開花するのを待つのではなく、自分の力で開花させるという覚悟を持つことが大切です。成功する人は、チャンスが偶然やってくるのを待っていたのではなく、いつ訪れてもつかめるように準備し続けていたからこそ、才能を花開かせたのです。才能は、粘り強い努力によって初めて姿を現します。
次に、「センスは磨くもの」という考え方についてです。ここで言うセンスとは、美術やファッションのような分野に限られた感覚ではありません。市場の流れを読む力や、組織の問題点を見抜く力、相手の気持ちを素早く理解する力など、複雑な状況の中で最適な判断を下す力のことを指します。センスは生まれつきの直感だけでできているわけではなく、多くの経験と、その経験をていねいに振り返る習慣によって磨かれていきます。これは、刃物を砥石にかけるようなものです。
センスを磨くには、成功からだけでなく失敗からも学ぶ姿勢が欠かせません。なぜ成功したのか、なぜ失敗したのかを分析し、頭の中にパターンとして蓄積していくことが重要です。そして何より、行動した後にきちんと振り返り、自分の判断がどんな経験や知識につながっていたのかを言葉にして整理することが大切です。曖昧な「なんとなく」や「勘」を放置せず、言語化によって整理することで、感覚が「再現できるセンス」へと変わっていきます。
センスは磨くことをやめればすぐに鈍ってしまいます。経験豊富な人であっても、新しい課題に挑み、自分の判断を批判的に見つめ直していくことで、価値あるプロフェッショナルとして成長し続けることができます。こうした「継続的な研磨」が、実力のある人をつくるのです。
才能とは、長い時間をかけて築く自分の核となる力であり、すぐには結果が出なくても、専門性や価値観を深めるための努力を必要とします。一方でセンスは、毎日の経験の中で磨かれていく、実践的な判断力です。昨日よりも少し賢い判断ができるように、日々の行動を丁寧に積み重ねることで育ちます。
この二つを同時に育てていくことで、天才的なひらめきを待たなくても、自分の意志と行動で未来を切りひらくことができます。そしてこの考え方を大切にすることこそが、変化の激しい時代の中で、自分の価値を高めながら、やりたいことを実現するための確かな方法なのです。才能もセンスも、私たち自身が育て、作り上げていくものなのです。

