心の言葉

疲れたらひと休み。休んだらまた一歩。

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「輝け!お寺の掲示板大賞2023」の受賞作品に選ばれたこの言葉は、私たちが日々の中で避けることのできない「疲れ」や「困難」に寄り添い、温かい励ましを送ってくれているように感じます。

「疲れたらひと休み。」は、「休むことの大切さ」を私たちに伝えてくれています。今の社会では、常に「前に進まなきゃ」と思わされる場面が多くあります。仕事、勉強、家事、育児など、私たちは毎日いろんな役割を抱えています。その中で、気づかないうちに心も体も疲れてしまっていることがあります。

眠れない、集中できない、なんだか気分が落ち込む⋯。
そんなサインは、心や体が「少し休ませて」と教えてくれている証です。でも、「休んだら置いていかれそう」「自分だけ休むのはダメだ」と思って、無理をし続けてしまうことも多いのではないでしょうか。

そんなとき、この言葉は優しくこう語りかけてくれます。
「疲れているなら、休んでいいんだよ」と。

それは、険しい山を登る途中の休憩所のようなものです。そこで一息ついて、疲れを癒さなければ、頂上までたどり着くことはできません。

「ひと休み」は、「あきらめる」ことではありません。それは、もう一度歩き出すためにエネルギーをためる、すごく大切な時間なのです。

そして後半の「休んだらまた一歩。」という言葉が、このフレーズをさらに特別なものにしています。ただ「休んで終わり」ではなく、しっかりとエールを送ってくれているのです。

「また一歩」という言葉には、「すぐに全力で動き出さなきゃ」というプレッシャーはありません。「さあ走り出そう!」ではなく、「まずは小さな一歩でいいよ」という、やさしくて力強いメッセージが込められています。

たとえば──

  • 仕事や勉強でうまくいかなくて落ち込んでいるとき
  • 人間関係で悩んで孤独を感じているとき
  • 病気やケガで思うように体が動かないとき

そんなとき、「もうダメかも」と思ってしまうこともあります。でもこの言葉は、「大丈夫、たった一歩でいいんだよ」と教えてくれます。

たとえば、何もやる気が起きない日でも、まずはひとつだけメールを返すとか、まずはベッドから起きてみるとか。ほんの小さな一歩でも、動き出すことで、止まっていた心が少しずつ前を向いていけるのです。そして、その一歩が次の一歩へとつながっていきます。

「お寺の掲示板大賞」でこの言葉が選ばれたときの講評には、こう書かれていました。

「ひと休み」も大事だが、「また一歩」という言葉から、疲れやストレスの中でも動かなければならない人へのエールを感じ、選出しました。

つまり、この言葉は「休むこと」を伝えるだけではありません。「休んだあとに、どう人生を歩んでいくか」という、もっと深いメッセージを持っているのです。

仏教には「中道ちゅうどう」という考え方があります。これは「どちらかに偏りすぎず、バランスを取って生きることが大切」という教えです。

「疲れたらひと休み。休んだらまた一歩。」という言葉は、この「中道」の教えそのもの。無理して走り続けることでもなく、あきらめて止まることでもない。「休むときは休み、動くときは動く」。そのちょうどよいバランスを教えてくれています。

人生を頑張っている中で、つらくなってしまうこともあると思います。でも、そんなときはこの言葉を思い出してください。

疲れたらひと休み。休んだらまた一歩。

たった一歩でも、それは立派な前進です。あなたのペースで、少しずつ進めばいいのです。

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