心の言葉

人生は道路のようなものだ 一番の近道は たいてい一番悪い道だ

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It is in life as it is in ways, the shortest way is commonly the foulest, and surely the fairer way is not much about.

16〜17世紀に活躍したイギリスの哲学者・科学者であり、経験論の祖とされるFrancis Baconフランシス・ベーコンの言葉です。彼は「知識は力なり」という言葉でも有名で、人生や倫理についても多くの考察を残しました。

この言葉には「人生には安易な道があるように見えるが、実際にはそれが最も困難を伴うことが多い」、つまり、楽をしようとするとかえって苦労することになる、という教訓的なメッセージが込められています。
これは現代にも通じる普遍的な真理です。私たちは日々、選択肢の中で「楽な道」と「険しい道」を天秤にかけることがあります。しかし、長い目で見たとき、短期的に楽に見える道は、かえって後で苦労を生むことが多いのです。

例えば、ある学生が、試験前になって「効率的に点を取る」ことばかりを考えたとします。友人が「この範囲だけ勉強すれば大丈夫だよ」と言ったのを鵜呑みにし、試験範囲の一部しか勉強しない。しかし、実際に試験が始まると、思ったよりも広範囲から出題され、結局は失敗してしまう。
一方で、コツコツと努力を重ねて準備した学生は、試験で予想外の問題が出ても対応できる力をつけていたため、良い結果を得ることができる。短期的に楽をしようとして近道を選ぶと、むしろ苦労が増すことになるのです。

努力を重ねることで真の力が身につきますし、時間をかけて築いたものは簡単に崩れません。逆に、近道で得た成功は脆く、すぐに崩れ去ることでしょう。

現代社会では、成功を急ぐあまり簡単に結果を出す方法を探してしまいがちです。しかし、この言葉が示すように、本当に価値のあるものは時間と努力をかけて築くもの。むしろ、一見遠回りに見える道こそが、最も確実な道なのです。

私たちも日々の選択の中で、「目先の楽さ」ではなく、「長い目で見て正しい道」を選ぶことを意識することが大切なのではないでしょうか。

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